真夜中の午前3時 突然 携帯が鳴り響く
慌てて 充電器から伸びたコードごと
掴んだ携帯の画面を確認する
画面には 見た事も無い アルファベットの文字
詐欺 いたずらか
着信音のゲージだけ0にして
携帯を置き 再び布団の中へ潜り込む
五分後
再び 携帯の着信音が鳴り響く
今度は 布団の中から 携帯に手を伸ばし
画面を開く
自分のでは無い
鳴っていた携帯は 自分のでは無い
少し 静かに聞き耳を立てる
上の階から 聞こえてきている その着信音は
ゲージいっぱいなのか 大音量
布団を頭まで被せ 目を閉じる も
一向に鳴りやまないし 止める事もしない
真夜中の出来事に 少しイラっとは したが
目を閉じ 明日の仕事の事を浮かべながら
寝ようと 思った時
辺り一面から 携帯の着信音が 鳴り響いた
ここのアパートだけでは無く 向かいのマンションも
隣の戸建て住宅からもか 一斉に鳴った着信音は
大きな音になり 胸をざわつかせる
急いで 自分の携帯を見るが
自分の携帯だけ 鳴っていない
ただ
画面に 先ほど
映し出されたアルファベットのローマ字がうっすらと浮かぶ
OKIRO ZIKANDA
どこかで 聞いたことのあるような言葉
見た事があるような 文字
幼い頃 父一人子一人の生活の中 散々 父親に言われた言葉
はっ とした
アラームかっ
急いで携帯を手に取り 画面を開く
表示の時刻は 午前7時半
さっき見た時間は 夢だったのか
布団を跳ねのけ 枕もとの充電器から携帯を取り
窓のカーテンを開ける
そこから 見えるいつもの景色はどこにもなく
真っ暗い深夜の空を
辺り一面 下から燃え盛る炎が
真っ赤に染めていた
全く気が付きもしなかったが
あたりで飛び交う怒号の声
沢山の人が逃げ惑う 足音
上の階の 下地の木々が燃えて 崩れる音
なんだ 夢の続きか
そっと カーテンを閉め
蹴り捲った布団の中に入り
携帯のアラームを 再び7時半にセットする
何度やっても
アラームのセット出来ない 携帯を握ったまま
深い眠りに着いた
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