始めて君に出会ったのは 三月の冬の寒さが和らいで来た頃
君は中学を卒業し 隣駅の高校に通うことに決まった
ご両親と一緒に 僕に挨拶しに来てくれて
いろいろなプレゼントまで貰った
中でもナンバー入りのステッカーは
君との 君と僕だけの繋がり
高校入学から数か月 君は吹奏楽部に入った
一生懸命頑張っている君を見て 僕は何か力になりたいと思ったらから
お父さんに言って 大きなトランペットのケースも担げるようにしてもらった
そして数か月 君は駅に僕を置き
始めて出来た彼氏と電車で隣駅まで通うようになっていった
時にはそのまま彼氏のバイクで家まで帰ることもあったから
僕は 駅のおじさんとずっと君の帰りを待っていた
それから数か月 僕は見知らぬおじさんにトラックに載せられ
僕のように パートナーに忘れ去られたものと一緒に
だだっ広い施設に入れられた
もう君の住んでいる町に僕はいない
さよなら さよなら奈央