間引き

噛むと美味いんだ     ~come to mind~ - にほんブログ村

寝床に着いた深夜 

大きな雷鳴が響き 近くに雷が落ちた

深い眠りについていた 瞼は なかなか開かず

脳からの発信も無い身体は動かない

辺りの雑踏が消え 無音になった反動で目が開く

何も無い

開けた瞼に反射するものが 何も無い

住んでいたアパートの前に 立っていた大きなマンションも

隣のクリーニング屋さんも 角の中華屋さんも

何も見えない

屋根は無く 三方向の壁だけがあり 他の部屋は無い

立ち上がり周りを見る

真っ暗闇の空の海に ポツンと アパートの部屋の一角

この部屋だけがあって 他に建物も見当たらず 大地も無く 

ただ ココだけがある

支えが無いからか ドンドンと下に下って行く感覚を感じる

それでも 何も無く 止まる場所すらない

起きてることの不可思議さから 再び目を閉じ

また開ける

下っている感覚は無くなっていて  

どこかに留まった  

今度は 上から 暗黒が 覆いかぶさって来て

幾重にも幾重にも 黒い空が降って来る

気が付いた時には もう 身動きも出来ず

瞼すら開くことが出来ない

何も考えられず 何を想像それば良いかも浮かばない

ただただ 暗い中で 暗い先を想像して じっとしている

絶望も感じられず 悲鳴を上げることも出来ない

幾ばくか時が経ち 誰かが下から 

足を持って押し上げている気がする

開かない瞼から 見えない誰かを想像することはできた

ほのかに暖かいような 優しい雰囲気を想像し

少し ほんの 少し

上に進んでいく

頭の先に感じる 空気が 今までと違う

流れている空気も さっきまで場所とは明らかに違う

上の瞼に 圧を感じなくなって

ゆっくり ゆっくりと 瞼を上げる

動かない頭 目の玉を ぐるりぐるりと 見回す

外だ   ここは 外だ

まつげが 降れている部分  これは きっと土だ

外に出れた  でも 見える先まで 何も無い

ここまで 来れたのに 未だ何も見えて来ない

必死に体を動かす  でも 自力ではビクともしない

時折 いつかの暖かい空気感じる時だけ

少し 少しずつ 利き手を上に動かせる

段々と上がって来た 両手

指にひんやりするものを感じた 瞬間

勢いよく 両腕を土から 空に向かって突き伸ばした

頭の先まで 伸ばした腕を 開き 

大地を噛みしめ 必死に抜けようとする

でも 抜けない

どれほど 力を入れても 抜け出せない

それでも 外の空気を吸って 雰囲気は一変

出たらすることを考えたり 

これから先の行動を想定したり

先を考える 希望が見えてきた

足を踏ん張ろうとする

踏ん張っても踏ん張っても 力が入らない

何かに巻き付かれているような感覚で

どんどん 横や下に伸びて行ってしまっている気がする

やがて 頭の先から 鼻の頭までが出た時

少し 辺りを見回せた

遠くの方に 何かが見える

その右の奥の方にも 

それは 自分と同じ様に 頭の先から鼻の頭まで出ているものもあり

頭の先だけが出ているものも  髪の毛だけのものもある

同じ境遇の人がいたと わかっただけで

物凄い勇気が出た 不思議な体験もしかり

何が起きて 何が起こったのか

これから先の事も 一緒に話したり 

相談したりして行けると 考えただけで

目の前が 明るくなり 希望に胸が躍った

何も起きていなかった時とは 想像以上の変化

考え方 感じ方 想像する事

そして 他人の事を考える事

 

次に瞼を開いた時 さっきまで見えていた

頭だけ出ていた頭が 見えなくなっていた

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