ある朝 目が覚めたら
草原にいる カマキリになっていた
僕の宿命は 気温上昇 天敵の減少で
大量に増えすぎた カメムシの削減
基準値の一定数まで カメムシを減らすこと
木々に止まってるカメムシを 捕まえては食べ
捕まえては食べしていると
体は肥え まるで メスのカマキリの産卵期のように
お腹は膨れてきた
止まってるカメムシは 捕まる事を逃れるために
飛び回り 大空高く飛びまわることの出来ない僕は
捕獲率の減少が顕著に出て
虫公安委員会に 呼び出され
厳重注意と勧告を受けた
信頼を取り返すために 畑へと急ぎ
葉物の裏で 食事をしているカメムシを
捕まえては食べ 捕まえては食べ
お腹はカメムシでいっぱいになり
ナスの葉の上でウトウト
横になっている僕の お腹の中で何かが動いている
さっき食したカメムシのお腹に植え付けられた
カメムシヤドリバエが僕のお腹の中の
カメムシを体内から食べ始めている
もうすぐ 僕のお腹の中のカメムシは
全て食べられ なくなる
そしたら 次は僕の番だ
僕もお腹の中から 食べられてしまう
やめろー
ベッドから飛び起きると
寝室の窓ガラスに 一匹のカメムシが引っ付いていた
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