灰色の空に 降る雨
満開に咲いた 花びらが 一斉に舞い落ちる
照らされた 幹達は
素顔を晒されたように 照れ笑い
暗い夜道を 白く照らした 花びらたちが
春の夜に 積もった雪景色をもたらす
太陽に照らされ 雨水を受け
大きく開いた葉は 花を咲かせ
実を作る
作られた実を 食べる物もいれば
大地に落ち 土に埋もれ
根を張り 実が更なる大きな実になる物もある
どの時期が この種のピークかは誰にも決められないし
本人もわかっていないのかもしれない
長い蔓を更に 伸ばすことが 生き甲斐
小さく綺麗 可憐な花で満たすこともある
味わい深い実を実らせ 誰かを満たすことも出来る
人知れず 大地に埋もれ 息をひそめ
ある時 気が付いたら 屈強な根を張り
誰もが喜ぶ 大きな実になり 歓喜の渦の輪の中心にいる
そのまま 誰にも気が付かれず
誰かの為に 次の蔓を伸ばす事もある
ここがどこで 今がいつか
何を見て来て 何をしてきたか
必要なものなど何も無くて
必要じゃないものなど何も無い
あるがままに
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