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夜の運行を終わらせ 数時間の仮眠をとる

寝起きのオロナミンを 一発

始発を運行 

始発が 終わると

本日の勤務終了

一日半の休みになる為

自宅に向かう為に 同僚の運転する電車に乗り 

自宅の最寄り駅で下車

駅のすぐ横にある 富士そばで

コロッケそばと 瓶ビールを一本

それらを堪能して 徒歩3分の独身者用社宅マンションに帰る

部屋に入って  ネクタイとスーツをハンガーにかけ

さっとシャワーを浴びて  出て直ぐに 缶のハイボールをプシュっ

ソファー兼ベッドに座りながら 昨日のドラマを流し見し

就寝

これが いつもの夜勤のルーティーン

ただ 今日は

ソファーに座った時から 

ベランダ辺りで 何やら ゴソゴソとなる音が気になる

しばらくの間無視していたが やっぱ気になり

ベランダの窓をそっと覗く

誰かが隠れている気配はない

少しホッとし 窓ガラスの下の方をよく見て見る

そこそこ大きめのハチが ガラス戸と網戸の間に入ってしまい出れないようだ

この大きさで どうやってここに入ったんだこいつ

ガンッ ちょっと 窓ガラスを叩いてみる

ハチは 怒ったのか 焦ったのか さっきより 激しく ガラスと網戸に体空いたりしてきた

これでは 逆効果 

よしっ  ゆっくりと窓を開け  網戸を逆に引けば こいつも出れるんじゃないか?

そう思い 窓をゆっくりと開けた

すると ハチも 空いた窓の 進行方向に一緒にずれていく 

馬鹿ッ 

それじゃあ 出られないじゃないか

すると 急に ハチが こちら側に引いた網戸の方に 急旋回してきた 

バタンッ 

慌てて窓を閉めた 

考えが甘かった

さっきみたいに 逆にこちら側に来てしまうと

万が一にも  部屋に侵入される可能性がある 

ここは 慎重に行かねば

でも 

何度 窓を叩いても 網戸をパンパンしても 

一向に出て行かない

放っておくかとおも思ったのだが

これだけ コンコンとガラスに体をぶつけられていたら

うるさくてとても安眠出来ない

仕方なしに 

隣の洋間からベランダに出て 

網戸を上に持ち上げ 一旦外すことにした

しかし  何度チャレンジしようとしても 

少し 躊躇する

ハチが助けたられたからと言って 自由にした瞬間

お礼を言って飛び去って行く未来だけでは無いからだ

数十分の思考との格闘の末 無事ハチを 間から救出 

自分自身も無傷だった

そんな事があってから数か月後

日勤を終え いつも通り 同僚の運転する電車が

駅に到着するのを駅のホームで待っていた

アナウンスが鳴り 

およそ この後55秒後に 電車が駅のホームに止まる

この時間の下りだと たぶん石塚だ

っと 思った瞬間 

腰が フワッと 軽くなり 

前につんのめった 自分の右足は ホームを踏みしめることが出来ず

線路に そのまま 落ちた

落ちながら  自分の立っていた場所に目をやると

誰かが 一目散に階段を駆け上がって行くのが見えた

両足が着地したのは 運悪く

傾斜の砂利の部分で 

着いた足は見事に滑り そのまま 顎を線路に強打した

アナウンスが 響き渡る中 

目御細めずとも見えるあたりに 

電車のライトが見えた

このままだと 上に 登るのは間に合わない

万が一 石塚が 異変に気が付いていてれば

あと20秒後には緊急ブレーキを作動させないと

自分の前で電車が止まることはないであろう

心の中で タイムを計測

残り 5秒を切ったのがわかった瞬間 

早く 早く この手に掴まれ

同年代のサラリーマンの方が 手を思いっきり伸ばし 掌をこちらに向けた

ただ  鐡道マンとして  万が一の可能性は排除しなけばならない

大丈夫です  大丈夫ですので 危ないから 白線まで 下ってて下さい

そう言って そっと 目を閉じた

すると 遅れる事 2秒後あたりで

キキーイッ と 緊急ブレーキをかける音がした

自分目掛けて 蛇足で進んでくる電車

間に合わない !!

滑るように進む電車が ブレーキ音と共に 

後 数メートルの所まで迫って来ていた

ギュッと目を閉じる

すると 

フワッと  大きな団扇で煽られたような風を感じた

数秒後

まずは 指先が動くか確認

そして 身体を半身に起こし

そっと目を開ける

数メートル手前で止まった電車を よく見ると

電車の フロントガラスが

何かで覆いかぶされている

その何かを認識しようと 目を凝らして見てみた

電車のフロントガラスには  ぶつかって中身の飛び出た

大量のハチが 覆い埋め尽くしていた


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