帰ってきて冷蔵庫を開ける キンキンに冷えた缶ビールを持ち
スーツのジャケットをソファーに投げ捨て プシュッと開ける
テレビのリモコンを片手に 喉をごくごくと鳴らしながら
ベランダの洗濯物をリビングにほおって 靴下を脱ぐ
ソファーに腰掛け ビール片手にワイシャツのボタンを外し
携帯で仲間と会話しながら 二本目のビールを開ける
その時来た ラインに驚き 缶ビールを床に落とした
テレビの消音ボタンを押し 電話を鳴らす
落とした缶を拾い上げ 布巾で拭きながら
出た父親の声に うなだれ ビールの缶をそっと机に置いた
目から溢れ落ちた水溜りを
母親の優しい声が 波立たせる
