最近では 声に出した事も無かった言葉
今では 何度も何度も 硬い地面に小さく呟く
母さん
窓から見える 空の色は毎日違うのに
あなたの送ってくれる 手紙の文字は
幼少期のまま
言葉に出来る後悔は 浅すぎて
言葉にならない後悔は 深すぎる
自分の不遇を 言い訳にして
選んだ 安易な選択が 一番の至難
あなたと同じような年齢の人を
まるで 人形のように
苦くて 甘い蜜の味
掴んだ果実は その人の家族の涙
小さな小窓から見える 雨は鈍色
どれだけ 振っても流せない果実の匂い
影が出来ない部屋の中
あなたの影を想像で描いて
何度も何度も 小さく 呟く
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