虫ピン

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モーニングコーヒーを片手に

ベランダで一服

朝靄の景色を眺めながら

ふと 隅を見ると

小さな穴が一つ

亀裂では無く 小さく綺麗な丸い穴

昨日までは 気が付かなかった 小さな穴

下に筒抜けになって無いか心配で

顔を近づけ 目を凝らす

小さすぎて何も見えない

アウトドアチェアに座り 

今日の仕事のシュミレーション

これが週初めの朝の日課

金曜日は久しぶりに同期と飲み会

終電で部屋に帰り

風呂上りにベランダで一服

暗がりの空に まん丸のお月様

月夜に照らされた ベランダの隅っこに

小さな小さな 黒い蓋

どこかの部品が取れたのかと思い

アウトドアチェアのポケットにそっとしまう

休みの土曜に目覚めるのは

大抵 アフタヌーン

タバコを吸いにベランダに出ると

どこからともなく

シューシュー音

結構な勢いで どこから何かが抜ける音

辺りを見回しても 無にも無い

手すりに肘をかけ 

深々と 朝のひと吸い

見上げた太陽に 陽炎がゆらり

聞こえる音と同様に

激しく揺れる 

次第にクレッシェンドしていく 抜ける音

見えてる太陽が どこか 小さくなっていく

次第にあたりにも 響き渡るぐらいの 

風の音

道行く人は何も気が付かない

それでも どんどん どんどん

小さくなる太陽

耳が張り裂けそうな 爆音が

直ぐそこで 響き渡っている

目に見える太陽の 反対側に

薄っすらと見え隠れする お月様

こちらもこちらで

腐りかけた 梨のように萎れてる

次第に周りの音が 何も聞こえないぐらいの

風の音に 

どこかで何かが爆発しそうなぐらいの

爆音に あたりの人は見向きもしない

耐えられなくなり 一旦部屋へ

部屋の中では 何も聞こえない  

それでも 見えてる太陽は どんどん萎む

何が起きているのか怖くなり

手にした携帯を持って もう一度ベランダへ

着歴から 田舎に住んでる母へ電話

萎んでる太陽と月が 見えてる?

の問いに 馬鹿な事言ってんじゃない

一喝するしばらく合っていない母親

見えているのも 聞こえているのも

自分だけ ?

思い出したように ふと 

ベランダに空いた 小さな穴に目をやる

穴から 強烈な風と共に 細かい砂利が

飛び出してきてる

慌てた僕は

その穴に目をやる

熱い  とても 触る事も出来ないぐらい熱い

真っ昼間なのに 灯りが寂しくなっていく太陽

車も持ち合わしていない

友達もいない むろん彼女も

逃げようにも逃げる術がない

ここで終わるのかも

諦めかけた時

急に 拾った蓋の事を思い出す

アウトドアチェアのポケットから

取り出した黒い蓋を

その 眩い風の吹き出る穴に

そっと入れる 

止まった 

最高なフィット感に 何の音も聞こえなくなった

急いで外の景色に目をやると

いつものように

太陽は大きく まん丸だった

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