小心翼翼

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僕のヒーロー

僕のヒーローは お父さんです

毎日 朝早く起きて 満員電車に乗って会社に行き

夜遅く帰って来ても 必ず僕の横に寝てくれる

休みの日にはどんなに疲れていても 必ずキャッチボールをしてくれて

一緒に滑り台も滑ってくれて 

美味しいラーメンも作ってくれる

僕のスーパーヒーローです

実家の整理をしていたら

子供の頃に書いた作文が出てきた

この作文を書いた一年後 

僕のヒーローは僕の目の前から消えた

居なくなった理由を 母も親戚も誰も言わなかった事から

なんとなく察する事が出来た

それから家事も育児も仕事も全てを母がしてくれた

僕の思い続けていたヒーローは一瞬で ヒールになり

母が スーパーヒーローだった

そんな母の三回忌が終わった後に

売却する実家の片づけをしている時に見つけた作文

その作文の束の下に

お煎餅の入っていた銀の缶の箱があった

蓋に貼られた 新しいガムテープ

母の字で書かれた僕の名前

そのテープを剥がし 中身を取り出した

中には一枚の手紙と沢山の写真

手紙に書かれた字は 手が震えてなのか

それとも 書けない字を必死に書いたからなのか

筆圧が強く濃い所もあれば 薄く全く読むことも出来ない字もあった

大きなカクカクの字で 書かれた言葉

はっきり解る文字は 全てカタカナで

僕の名前の下に

ダイスキダヨ の 文字

缶の底に小さく折りたたんだ新聞の切り抜き

夜の駅前で起きた惨事

ホームレスを囲んで暴行させるように嗾けた

動画作成グループが

止めに入った会社員を殴る蹴る

会社員は集中治療室で手術中

 

記事の一文字 一文字を読み連ねる度に流れ落ちる涙

人を恨んだり 人を羨んだり 人に左右される事無く

人生を真っすぐ全うして欲しいと閉ざした母の唇

僕のヒーローは 本当にヒーローだった

困っている人を助けることが出来る

間違っている事を間違っていると言える

ただ普通に そう思って生きていける

手足を広く開き 見せる誇りは

大きく見せ続ける事で 驕りになる

あなたが思うような人になりたい

 

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