ぼくの夏休み 

噛むと美味いんだ     ~come to mind~ - にほんブログ村

毎年 31日に 一本

一本だけ火を付ける線香花火

今日でもう30本目

物心がついた時から いや 夏休みが終わる寂しさから

始めたから あれは 小学1年の夏

ただただ 遊んだ夏休み

特段変わったこともせず 普段と同じ遊びを 

学校に行かずにするだけの夏休み

それが妙に嬉しかった

お友達は海に行って泳いだり 魚釣りをしたり

避暑地に行って 虫を取ったり

特別な非日常  でも 

何も変わりない日々の 僕の方が

夏休みが終わる事が どれほど寂しかったか

ぼんやりと暗くなった 最後の日

風をよけるために ゴミ置き場の中に入り

マッチを擦る

青い炎の上に 橙色の炎

火の中に映し出された 母親の腕の中

熱が出て 首に巻いたネギが 苦かった

寝付くように歌った子守歌

その頃は キーなんてどうでもよかった

首に巻いたタオルで汗を拭いながら

たらいの中から出したスイカ

当たって割れてしまうと何故か悲しい

それを笑顔で手渡しする父親

豚の蹄みたいな 金属に挿した蚊取り線香を窓際に置き

みんなでジャイアンツを応援した

誇って貰えるような事は まだ一つも出来てないけど

そっちに行くときまではなんとか頑張る

また今年も夏が終わる

なかなか墓参りには行けないけど

夏が来るたびに思い出す

だから また 来年

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