幼い頃 駅で 俳優さんがドラマの撮影をしていたのを見た事がある
必死に頭にセリフを叩き込み
体で表現をし 顔を作り
そのものになりきる
合間に 撮影を見ているファンに 手を振り
また スイッチを入れ
そのものになりきる
そこまでたどり着くのに 相当な努力をし
そこに携わる 人全ての努力の 一コマ一コマが
繋ぎ合わさり 一つの作品が完成する
努力の結果が 表せる場所があるから
目の前に 壮大な坂道があって
頑張って この坂道を この自転車で登り切ろうと
漕ぎ始める
次第に汗がにじみ始め ハンドルを持つ手が滑る
じき足は パンパンになり 漕いでも漕いでも前に進まない
これだけ 頑張っても
まだ 目の前には 壮大な坂道が広がっている
絶対に登りきる
漕ぎ切って この坂道の先に何があるのか
絶対に見てやる
そう思って 何度も何度も 休んでは漕ぎ
休んでは漕ぎ
体力も気力も限界を迎えた
その瞬間
進行方向は反転し
何もしていないのに 一気に坂道を物凄いスピードで下る
あれだけ 頑張って漕いだ上り坂を
一瞬で下る
なんなら 漕ぎ始めた所も もうすでに通り過ぎた
そして やっと ブレーキを踏み
下って来た坂道を ゆっくり 振り返る
物凄い 上り坂だ
目の前には 壮大な上り坂
これだけの坂を下って来たのかと思うと
自分を褒めてあげたくなる
それからも どんどん どんどん 下る
今度は どんなに下っても 下り坂以外何も見えない
あの時
一瞬で方向転換した時に 一気に下り始めた時に
せめて 前を向いて下っていたら
下っていても 見えているのは上り坂だったのに
それでもそう思っても 出来ないのは
怖いからだ
反対方向を向いて 下るのは怖いからだ
だから 下り坂を見ながら下る
登りたい上り坂に 背を向けて
努力の結果が見えなかった
上り坂を登った 結果が見えなかったから
でも 登っている人
登り続けている人は 上り坂しか見ていない
登り切った平坦な道を想像して 登ってはいない
結果を待ち望んで 登っていた訳では無い
登らないと 登り続けないと
下ってしまうから ただただ 登り続けている
下るのが恐いからだ
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