茜色の空 6

噛むと美味いんだ     ~come to mind~ - にほんブログ村

歯ブラシが 床に落ちた

今 流れてきた ニュースは 本当だろうか? 

それとも これはまだ 夢の中だろうか 

急いで テレビのリモコンの所に行き

他のチャンネルで 今のニュース速報が流れているか確認した

どこのチャンネルでも 未だ詳しい事はわからず

以前 犯人グループの行方はつかめていないと。

僕は制服のズボンを履き

上は寝巻のTシャツのまま 家を飛び出し店に向かった

店から 100mぐらい手前に 防波線の黄色いテープが張られ

お巡りさんが 何人も立っていた。

くぐって中に入ろうとすると 肩をグッと抑えたお巡りさんに

止められ、払いのけようとする僕を 数人のお巡りさんが取り囲んだ。

あの店でバイトをしていた事を伝え 中に入りたいと言っても

中は今鑑識捜査中だから入れない

じゃあ せめて もう少しだけ近くに行かせて欲しい

そんな押し問答を繰り返していると

店の裏口の通路の前で

膝をつき 肩を落としながら 号泣している凪が目に入った

「彼も同じ バイト仲間なんです。せめて彼の所まで」

そう言って手を振り切り 一目散に走り 

凪の背中を抱きしめた 

抱きしめた凪の背中は とても冷たく

小さく引くついていた  

結局その日は 中に入る事も

詳しい詳細を聞くことも出来ず

警察の方に 住所と電話番号をメモされ帰らされた

後で 連絡すると言われ  

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放心状態の凪を なんとかロードサイクルに跨がせ

帰路につかせて 自分も家に戻った

普通に授業が始まってる時間ではあったが

同じ町の中で これだけの事件が起きていれば

僕が一人学校に来ていない事なんて

誰も関心を持たないだろう

家に戻ると警察から 連絡もあった事もあってか

仕事に行っているはずの父も 母親と僕待っていた

玄関を開けて 立って迎えてくれた2人を見たら

体中の力が一瞬で抜け 息も出来ず 立ってることも出来なかった

父親が 直ぐに救急車を呼んで近くの病院に運ばれた僕は

過呼吸で 血中酸素濃度の低下により 貧血症状を起こし倒れたらしい。

しばらくすると病院で酸素マスクをつけ横たわってる僕の所に

さっき 店の前で 電話番号をメモしていた警察官が現れた。

両親と看護師さんが 止める中 

その警察官は  リーさんの名前を何度も呼んでいる気がした  


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