新宿駅の構内の通路に べったりと座り
脱いだ帽子を ひっくり返して置いて 眠っていたら
起きたら 380円分の 小銭が入っていた
驚いた僕は
小銭の入った帽子を そのままに
持っていたリュックを枕に もう一度横になって眠った
数十分後 目を覚ますと
帽子の中には 3つ折りに折られた 5千円札
ぐちゃぐちゃのまま 投げ入れられたであろう 千円札が数枚
何枚かの500円玉
帽子の中は 全部で 12000円以上あった


派遣で来た棚卸のバイトを バカバカしくて 数分で辞めて
駅に横たわっただけで
バイト以上のお金を手にすることが出来た
これが 東京 新宿
僕は 三つ折りに折られた5千円札だけを 携帯のカバーのポッケにそっと入れ
帽子の中身はそのまま
もう一度 リュックを枕に眠った
数時間後 誰かに 肩を揺さぶられ
まだうっすらとしか開かない目で 前を見ると
数人のお巡りさんが 立って 僕を上から下まで 舐めるように観ている
「こんな所で寝ていたら 危ないよ。 家に帰りなさい」
そう言うと 辺りにいたギャラリーに声をかけ
お巡りさんたちは いなくなった
はっきりと目を覚まし 手元に見えたのは
握っていたはずの携帯も 枕にしていたリュックも
大金の入った帽子も 布団代わりに掛けていた コートすらない
駅構内のタイルだけだった

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