今日見る景色も 明日見る景色も変わらないと思ってた
今見ている景色を 明日見ることが出来なかったら
結婚して 子供が生まれ
3人家族となり 早10年
良い時も悪い時も家族の為に頑張って来た
子供の成長を夫婦二人で見守り
3人が互いに手を取り合って生きていた
窓から見える神社の境内の靄を感じながら
少しづつ娘が大きくなるにつれ ふと 違和感を感じた
仕事が早く終わるように 休憩することなく時間を詰め
夫婦で協力し保育園のお迎えに行く
毎週の休みの日には 必ず家族で出かけ
遊園地も動物園も何度も通い
道の駅巡りや農家の野菜販売所巡りなんてのもした
子供の運動会の組体操で 号泣し
近所の人の目を気にする娘に
叱られたりもした
小学校の卒業式
突然傾き始めた 会社の尻拭いに孤軍奮闘し行けず
中学の入学式は
倒産した会社の社員を引きとってくれる会社の面接
あの時感じた違和感は 家族3人の気持ちに入った
小さなひびの音だったのだろうか
専門学校に通う為 単身 東京に行くと娘に告げられた時
必死で止めた俺を 説得した妻
数か月後 娘は東京に行き 妻はどこか違う所に
自分の優しが足りなかった 大事に出来なかった
でも あんなに一生懸命に家族の為に
その考えが気持ちを離れさせた
窓から見える 神社の境内は今日も同じ 朝靄に包まれているようだった